この記事は、
何度も繰り返してきた腰痛が悪化して、
坐骨神経痛に苦しんでいた患者が完治するまでの過程を記しています。
50代 男性 会社員 港区在住
右坐骨神経痛、椎間板ヘルニア
令和4年7月下旬
これまで一年に一度くらいぎっくり腰を繰り返している。
そのたびに坐骨神経痛もでていたが、
毎回ペインクリニックでブロック注射をして治まっていた。
3週間前にぎっくり腰を発症した。
MRI検査で椎間板ヘルニアの診断。
いつもどおりブロック注射を受けたが、
腰の痛みは治まったが右足の痛みとシビレが残った。
そのうち治るだろうと思っていたが、
徐々に痛みとシビレが酷くなってきたため、
カイロプラクティックを受けたが改善しない。
このままだと仕事も日常生活もままならないため、
インターネットで当院をみつけ、椎間板ヘルニアや
坐骨神経痛の症例を多く扱っていたことで来院を決めた。
患者は現在、右臀部から大腿部にかけて強い痛みとシビレを訴えている。
下腿には痛みはあまりなく筋肉が硬直する感覚と
シビレが強いとのこと。
場所を確認する。
臀部の下部から、大腿部後側に痛みとシビレ、
下腿後側にはシビレが強い。
(下図の赤マルが症状部位)
検査を行う。
SLRテスト(+)
FNSテスト(-)
SLRテストが陽性であることから
「腰椎ヘルニア」の可能性がある。
念のため追加で検査を行う。
Kボンネットテスト(-)
これにより梨状筋症候群の可能性は低い。
アライメントチェックでは異常はなし、
次に触診を行う。
右下肢全体の筋緊張が非常に強い。
臀部の緊張はあまりない。
腹部が硬く肝臓部にはやや腫脹がみられた。
圧痛は、
大腿部内側
下腿後側(ふくらはぎ)
にみられ、臀部にはなかった。
以上のことから、
椎間板ヘルニアをともなった坐骨神経痛だと判断し、
治療開始する。
治療室内でもっとも再現しやすかった
安静立位での右下肢の痛みを
ペインスケール「10」とした。
※ペインスケールとは、患者本人の痛みの自覚を最大時を10とした尺度のこと。
<治療>
内臓調整、腸腰筋調整、神経促通。
大腿四頭筋調整。
坐骨神経痛は緩やかに変化がでることが多いが、
治療後ペインスケール「10」→「8」
立ち上がった直後に起こるシビレは変化なし。
症状が重いため、
まずは週2回の治療が必要の旨を伝えた。
少しでも早く痛みを何とかしたいという
患者本人の希望により、
症状がある程度落ち着くまで、
できるかぎり日を詰めて治療する。
ということで了承し、治療終了。
1診目から3日続けての来院。
痛みは軽減している。
歩行も少し楽になった実感がある。
と報告。
<治療>
内臓調整、腸腰筋調整、神経促通。
大腿四頭筋調整。
ペインスケール「8」→「6」
前屈時の痛みの増悪が減った。
立位で前かがみだった姿勢がまっすぐ伸ばせている。
シビレはすぐ変化しないため確認は行わない。
前回から2週間後の来院。
コロナ感染し療養期間中だったため期間が空いた。
その間に、
症状が増悪してしまい、
痛みとシビレで歩行で冷や汗がでるほど。
と報告。
立位での前かがみ姿勢もみられる。
<治療>
内臓調整、腸腰筋調整、神経促通。
大腿四頭筋調整、腸脛靭帯持続圧。
仰向けでの痛みはほとんどなくなった。
立位での痛みやや減少し、前かがみ姿勢は改善した。
ペインスケール「10」→「8」
シビレの確認は行わない。
前回から翌日の来院。
翌週から家族と沖縄旅行に行くため、
それまでに旅行に支障がでない程度にしたい。
と要望があり、
日を詰めて治療することに。
患者より
「歩くときの痛みはだいぶ楽になった」
「しばらく腰掛けていると痛みとシビレがある」
と報告。
ペインスケール「5」
<治療>
内臓調整、腸腰筋調整、神経促通。
大腿四頭筋調整、腸脛靭帯持続圧、下肢血流調整。
立位でのふくらはぎの痛みはほぼなし。
臀部にややある。
ペインスケール「3」
立ち上がった直後のシビレはある。
前回から11日後の来院。
旅行中は痛みやシビレは苦にならず楽しめた。
しかし、
旅行から帰ってきて数日経った頃から、
症状が増してきた。
と報告。
旅行中と旅行後にかなりの量を飲酒していたとのこと。
確認すると、
背部の肝臓部に腫脹がみられる(左右背部を比較)
飲酒によって肝臓をはじめ、
内臓に負荷がかかり続け、
治癒力の低下を起こしたものと推測。
ペインスケール「8」
<治療>
内臓調整、腸腰筋調整、神経促通。
大腿四頭筋調整、腸脛靭帯持続圧、下肢血流調整。
ペインスケール「7」
内臓への負荷を減らし、
治癒力を戻すために、
しばらくは飲酒を控えるよう伝えた。
前回から1週間後の来院。
患者より
「禁酒しています」
「お腹指圧してもらうと翌日朝から身体が軽いです」
と報告。
症状の悪化はなく安定している。
ペインスケール「5」
<治療>
内臓調整、腸腰筋調整、神経促通。
大腿四頭筋調整、腸脛靭帯持続圧、下肢血流調整。
ペインスケール「3」
立ち上がった直後、
踵まで出ていたシビレの範囲が、
ふくらはぎまでになった。
前回から1週間後の来院。
患者より
「痛みもシビレもあるがだいぶ楽になった」
「ある程度歩いても痛みがない」
と報告。
ペインスケール「2」
<治療>
内臓調整、腸腰筋調整、神経促通。
大腿四頭筋調整、腸脛靭帯持続圧、下肢血流調整。
立ち上がった直後のシビレは、
臀部(おしり)のあたりにしか出ていない。
前回から一週間後の来院。
患者より
「いつの間にか痛みもシビレもなくなっていた」
「忙しかったけど痛みはでなかった」
と報告。
<治療>
内臓調整、腸腰筋調整、神経促通。
大腿四頭筋調整、腸脛靭帯持続圧、下肢血流調整。
ペインスケール「0」
治療室内でも、日常でも痛みの再現がないため、
治療終了。
メンテナンスに移行する。
N・Sさんの坐骨神経痛は、
何度も繰り返しているうちに、
ブロック注射が効かなくなるほど
悪化してしまい、
日常生活がままならないほど酷い状態でした。
患者さんのN・Sさんは、
途中痛みの改善と悪化を繰り返しましたが、
当院を信じて通院し続けてくれました。
その結果、完治に至りました。
N・Sさん、
これからもご旅行楽しんでくださいね!
それでは考察に入ります。
今回の症例では、
治療で軽減した症状が、
再び悪化(症状の戻り)を繰り返しました。
症状の戻りが起こりやすい場合、
その特徴として、
①患っている期間が長い
②治癒力が極端に低下している
というのがあります。
症状が固着してしまって、
一度改善しても、
身体は患っている状態が普通だと判断して
その状態に戻ろうとします。
さらに、
自然治癒力が低下している状態では、
症状が良くなっても、
その状態を維持できず悪化してしまいます。
N・Sさんの場合、
治癒力の低下を引き起こしていた原因
として考えられるのは、
・飲酒量の多さ
・仕事の忙しさ
です。
これらが長期に渡って続いていたため、
内臓が疲労し、血流が不足していました。
その結果、
治癒力が低下し続け、
ブロック注射も効かない状態にまで悪化した
ものと考えられます。
以下の図の、
「大腰筋」が硬くなりすぎると、
すぐ隣を通る大腿動脈を圧迫して、
下肢への血流が不足しやすくなります。
今回の治療で最も効果的だったのは、
「内臓の調整」と「腸腰筋調整」
でした。
※腸腰筋は、大腰筋+腸骨筋を総称した名称です。
これらによって血流が回復し、
徐々に身体の治癒力が戻っていき、
20回の治療で完治に至ったと考えられます。
正直、もっと早く治して差し上げたかった。
という思いはあります。
中には今回のように、
どうしても改善に時間がかかることはあります。
しかし、
少しでも早く、安全に、確実に治せるよう
これからも進化し続けます。
あなたがもし坐骨神経痛で悩んでおられたら、
ぜひ信じて来て欲しい。
僕の持っている全力を尽くして治します。
ありがとうございました。
※お客様の感想であり、効果効能を保障するものではありません。
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